Jブルークレジットとは?その実施主体、実施実績を簡単に解説

Jブルークレジットとは、JBE(ジャパンエコノミー技術研究組合)が発行・販売しているブルーカーボン・クレジットです。

JBEという研究組合は、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、笹川平和財団、大学教授の個人で構成されています。

JBEは2020年度に1つ、2021年度に4つのブルーカーボン活用プロジェクトを対象にしてクレジットを発行・販売しています。

Jブルークレジットを創設したジャパンエコノミー技術研究組合にインタビュー

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長 桑江 朝比呂さん
桑江 朝比呂さん(写真提供:ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)

この度日本のブルーカーボン研究の第一人者であり、Jブルークレジットの創設者である、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長の桑江 朝比呂(くわえ ともひろ)さんにお話を伺うことができました。

インタビュー記事内ではJBEの設立経緯と詳しい活動内容、日本初のブルーカーボンクレジットである『Jブルークレジット』について伺いました。

環境問題を持続可能にするための取り組みとしてブルーカーボンを利用するJブルークレジット。桑江さんの熱意が伝わってくるインタビューです。是非ご覧ください。

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JブルークレジットとはJBEが発行、管理するブルーカーボン・クレジット

JブルークレジットとはJBE(Japan Blue Economy association ジャパンエコノミー技術研究組合)が発行、管理している、ブルーカーボン生態系の保護・育成プロジェクトを対象にしたクレジットです。

まず、ブルーカーボンとは何か、クレジットとは何かについてご説明します。

ブルーカーボンとは

ブルーカーボンとは海藻などの海洋植物が大気から海水に溶けた二酸化炭素を吸収して光合成反応によって作り出す有機炭素化合物です。

ブルーカーボンを作り出す海洋植物によって構成されるブルーカーボン生態系は藻場、干潟、マングローブ林などがあり、ブルーカーボン生態系は極めて高い二酸化炭素(CO2)吸収能力を持っています。

またブルーカーボンは浅海底の泥の中に貯留されますが、ここは無酸素状態のためブルーカーボンは分解されず、数千年という長期間にわたって貯留されます。

この2つの特徴により、ブルーカーボンは優れたCO2吸収源として、脱炭素を目指す現代社会において大きな期待を集めています。

そして脱炭素を目指す取り組みとして、ブルーカーボン生態系を保護・育成するプロジェクトが、各地で立ち上げられています。

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クレジットとはCO2削減量の認定証

まずカーボンオフセット制度というものについてご説明します。

二酸化炭素の排出をできるだけ削減しようと努力しても、どうしても排出せざるを得ない場合があります。その場合、他所で行われたCO2排出の削減活動やCO2吸収の増大活動によって生み出されたCO2削減量によって、自分が排出したCO2の埋め合わせをする制度がカーボンオフセット制度です。

埋め合わせは、他所で実現されたCO2削減量に価格を設定して販売されるカーボンオフセット・クレジットを購入することによって行われます。

そして、ブルーカーボン活用プロジェクトによって生み出されたCO2削減量を認定したクレジットがブルーカーボン・クレジットです。

クレジットを巡る課題として、実際に実現したCO2削減量を正確に算出する方法が確立していないことが挙げられます。

Jブルークレジットの実施主体はJBE

Jブルークレジットを発行、管理しているJBEとはどういう団体でしょうか?そして、どんな実施実績を行っているのでしょうか?

JBEとは?

JBEはJapan Blue Economy associationの略で、日本語名は「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」です。

組合員は「国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所」、「公益財団法人笹川平和財団」、ほか大学教授の個人です。

事業内容は「沿岸域における環境価値の創造と増殖、定量的評価に関する試験研究」、「新たな資金メカニズムの導入に関する試験研究」、「環境に関する試験・研究・指導、市場調査・分析、コンサルティング、講演会・研修会・セミナーの開催」などです。

Jブルークレジットの実施実績

2020年度と2021年度のJブルークレジットの認証と発行、公募は次の様に行われました。

2020年度 Jブルークレジットの実施実績

横浜市漁業協同組合他の3団体が実施するプロジェクト「多様な主体が連携した横浜港における藻場づくり活動」を認証し、Jブルークレジットを発行しました。

クレジット購入の公募は2021年2月2日〜2021年2月12日の期間で行われました。

クレジットの購入者は住友商事株式会社、東京ガス株式会社、株式会社セブン-イレブン・ジャパンの3社です。

2021年度 Jブルークレジットの実施実績

2021年度は、上記の「横浜港における藻場づくり活動」の他に、新たに次の3つのプロジェクトの実施についてJブルークレジットが認証・発行されました。

  • 山口県周南市他2団体が実施する「大島干潟から、つながる周南市ブルーカーボンプロジェクトin徳山下松港」
  • 兵庫漁業協同組合他3団体が実施する「兵庫運河の藻場・干潟と生きもの生息場づくり」
  • 電源開発株式会社 技術開発部 茅ヶ崎研究所が実施する「J-Power若松総合事業書周辺護岸に設置したブロックによる藻場造成プロジェクト」

クレジット購入の公募は2021年12月28日〜2022年1月31日の期間で行われました。

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まとめ

以上に述べて来たことの要点をまとめます。

  • Jブルークレジットとは、JBE(ジャパンエコノミー技術研究組合)が、ブルーカーボン活用プロジェクトを対象に発行、販売しているカーボンオフセット・クレジットです。
  • ブルーカーボンとは、海藻などの海洋植物が、CO2を吸収して作り出す有機炭素化合物で、優れたCO2吸収源として注目されています。
  • JBEという研究組合の組合員は「海上・港湾・航空技術件所」、「笹川平和財団」、大学教授の個人です。
  • JBEは2020年度に1つ、2021年度には4つのブルーカーボン活用プロジェクトを認証してクレジットを発行・販売しました。

参考文献